いざ、出陣。

公開日: : 日本代表


ついに始まる。遠いブラジルの地で、日本代表の戦いが始まる。2002年の自国開催を含め、98年から5大会目の挑戦だ。

W杯は4年に一度の開催。「お祭」と称されることもしばしばだが、自国の戦いをW杯の舞台で見るとき、「楽しむ」ことが難しいサポーターも多いのではないだろうか。4年に一度。そして命運を決するグループリーグはわずか3試合。興奮や期待感とともに大きな緊張感を持つことだろう。

Jリーグが発足して20年。驚くほどのスピードでこの国のサッカーは進歩してきた。国内リーグの観客動員数は世界でも10から20番目に多い数字だ。100年の歴史の差がある欧州のトップクラブで活躍する選手も輩出できるようになってきた。

そして日本代表。クラブチームの人気が常に代表チームのに上に来る欧州や南米だが、日本では代表チームの動向がいつでもサッカー界のトップニュースだった。それは今も変わっていない。そして、日本代表がW杯で残す結果は、そのまま日本のサッカー界に反映される。

2010年南アフリカW杯。トルシエ監督とオシム監督が整備した組織を受け継いだ日本代表は「接近・連続・展開」を合言葉に、岡田監督のもと敏しょう性や連動といった日本人の特性を活かした攻撃的サッカーを目指していた。しかし本大会出場を決めた後、本大会に向けた強化期間で結果が出ず、「ベスト4」を目標に掲げた岡田監督率いる日本に、大会前最後の国内での試合でもサポーターからは痛烈なブーイングが浴びせられた。

そして本大会。苦しみながら出した決断は戦術変更。攻撃的サッカーを諦め、日本代表は4枚のDFと5枚のMFでブロックを作り、守備を固める戦術へと方向転換を図った。これが功を奏し、2002年以来となるグループリーグ突破。この「結果」に国民は熱狂し、大会直後の試合からスタジアムの雰囲気が様変わりした。

W杯で世界の注目を集めると、欧州のクラブが次々と日本人選手をスカウト。インテルやミラン、マンチェスター・ユナイテッドといったビッグクラブに所属する選手さえも出てきた。ニュースでも連日、海外組の活躍が伝えられ、ザッケローニ監督の確かな指導のもと「豪華メンバー」による「史上最強の日本代表」へと成長を遂げていったチームの試合は、親善試合であろうと、6万人規模のスタジアムでもチケットの入手が困難になるほどになった。

さらに子どものスポーツ人口でもサッカーがトップになり、Jリーグ発足以来、「プロサッカー」として続けてきたプロジェクトはここに来て爆発した。

日本代表の結果がダイレクトに反映される日本サッカー界において、W杯の結果はとてもとても重要だ。前回大会から今日に至るまで、日本のサッカー界はある意味お祭りとも言える状況だった。しかしその影でJリーグの観客動員数は減っている現状だ。今大会でグループリーグ敗退など、結果が出せなければ、また人々がサッカーから離れていく可能性もある。

本当の意味で、この国にサッカーという文化が根付くために。日本代表の試合があるときだけ、世間の注目が集まるのではなく、サッカーがこの国で日常になるために。今大会は大きな意味を持っている。

サッカー大国と呼ばれる国はそれぞれ自身のスタイルを持っている。時代の流れによる戦術的変化はあれど、基本となる信念や思想というのはサッカー文化として、サポーター含めみな自覚し共有している。

そして今大会、これまで目の前の結果を掴むことに精一杯だった日本代表は新たな道を示そうとしている。4年前に諦めざるを得なかった理想の続き。パスワークを主体とし、連動した攻撃と守備で試合の主導権を握る。ブラジルで戦う日本代表は失点への批判を恐れず「日本のサッカー」をブラジルの地で、私たちに、そして世界に示そうとしている。

そのことを私たちサポーターも理解しなければならない。そして、どこにいても、日本サッカーを愛する私たちの応援、願い、誇りは日本代表を大きく後押しをするはずだ。

さあ行こう。日本サッカーの新しい歴史が始まる瞬間だ。ブラジルで大きな挑戦をする選手と、監督と、スタッフと共に戦おう。俺たちの、日本のサッカーを世界に見せつけてやろう。いざ、出陣。
 

 

 

記事 – さぽーたるふっとぼーる副編集長


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