豊田陽平から何処と無く漂う「巻サクセス」を起こしそうな雰囲気。8ヶ月後にサプライズなるか。


巻誠一郎

巻誠一郎の代表初ゴールは2006年の2月10日、アメリカ戦である。実に本大会の4ヶ月前だ。

 

 

代表デビューは2005年。ワールドカップイヤー前年のコンフェデレーションズカップでグループリーグ敗退を喫した日本は、直後に行われた東アジア選手権に、国内組を中心のメンバーで挑んだ。そこで巻はジーコジャパンに招集され、3試合に起用されながら無得点。その後の欧州遠征では海外組中心のメンバーに切り替わり、巻は代表から外されている。

そして年が明けて最初のアメリカ戦。コンディションが悪く3点を先攻される展開の中で、後半から投入された巻は追撃の一発を頭で叩き込む。これが代表での嬉しい初ゴール(スタジアムは野球場だったが)。オフ明けで他の選手がイマイチ持ち味を発揮できない中、巻の前線からのチェイスが疲弊した味方を鼓舞し、結果的に2−3と1点差まで追い上げたのがこのゲームだった。

その後インド戦と本大会前最後のテストマッチであるブルガリア戦で得点。イマイチ戦う姿勢の見えない日本代表メンバーの中で、ひとり闘志を剥き出しにしていた巻は徐々にサポーターの心を掴み、ジーコの評価も高めていく。

 

 

高原、大黒、柳沢、玉田・・巻。

何度となく流され、これからも時折お目にかかるであろう日本中が驚いたこのシーン。巻誠一郎が23人目の選手として代表に滑り込んだ話はもうしなくていいだろう。

 

豊田陽平は今、巻と同じような道を辿っている。

 

東アジア選手権で招集されるも無得点で、直後の欧州遠征には招集されない(今年はもう一度遠征があるが)。高さや献身的な守備、強さと運動量が評価される点も似ている。

2005年Jリーグでの日本人得点王は実は佐藤寿人。2位が大黒将志で巻は3位にランクインしている。ということでむしろ当初の世間的な評価は佐藤寿人の方が高く、続いて大黒という形であった。巻は「足下でプレーできない」「デカいだけ」などと揶揄されたが、結果的に代表に最後に残ったのは巻だった。

 

ワールドカップ前の監督というのは慎重になるものだ。今まではテストマッチを行いチームの完成度を高めてきたが、本大会では何が何でも勝ち点1を掴まないと行けない場面も出てくる。グループリーグの舞台では、テストマッチではなかなかリアリティの出ないゲームを「クローズ」するということも求められ、普段は行わないような人選を2、3するものだ。

2002年の中山、2006年の巻、2010年の矢野貴章はまさにそういうクローザー的役割も求められる存在だっただろう。

 

疲れたチームに元気と勇気を与え、粘り強い守備とルーズボールへの執着でチームに貢献するー。本大会に乗り込む23名中、1枠はその枠として使われる可能性は高い。

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世間は今、ゴールゲッターを求めている。

佐藤寿人、大久保、川又。どうにか停滞した空気を打破して欲しいと、新たなストライカーの未知なる可能性に希望を見いだし夢を見る。東アジアでの柿谷がそうだったように、そんなムードでのゴールは世論も監督の評価も一気に高めて行くものだ。

 

少しザックジャパンから遠のいたように感じる豊田だが、逆に今はこの距離で良いのかもしれない。これだけ上手くいっていないチグハグな代表で、もう他にFWを試さないということはあり得ないだろう。あとワンチャンス、あとワンチャンスが必ず巡ってくる。

 

豊田陽平がそのワンチャンスで結果を残し、ギリギリでブラジルに滑り込む気がしてならない。鳥栖での活躍や、今の日本代表を見ていると、救世主として、ストライカーとして、クローザーとして、スーパーサブとして・・・。彼が様々な肩書きを背負い、地球の裏で躍動するような、そんな気持ちにさせられるのだ。

 

豊田からは「巻サクセス」を起こす気配が何処と無く漂っている。苦労人の戦いはまだこれからだ。

 

 

記事/さぽふと編集長


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