悪童?人間ミサイル?人間味溢れるコンサドーレの「新兵器」フェホとは?


 

札幌フェホJ2・コンサドーレ札幌のレ・コン・ビンが話題だ。初のベトナム人Jリーガーとして来日し、日本でも大きな注目を集めている。ベトナムでは日本でいう三浦知良のような扱いを受けているレ・コン・ビンだが、異国文化である日本サッカーにも徐々に馴染みはじめ、先日は値千金の決勝弾となるゴールを挙げた。

ひとつずつ日本でのキャリアを歩み始めたレ・コン・ビンには、日本サッカーやJリーグのマーケティング的な意味でも大きな期待がかかっているが、コンサドーレの外国人選手はレ・コン・ビンだけではない。

 

フェリペ・アルメイダ・フェリックス・クヴァシャンチラーヅェ

 

身長197cm、体重92kg。K−1ファイターのような風貌の大男の名前はフェリペ・アルメイダ・フェリックス・クヴァシャンチラーヅェ。その長い名前は使われることはほとんどなく、愛称のフェホで呼ばれることが多い。フェホとはポルトガル語で「鉄」という意味を持ち、鉄人という意味合いで親しまれてきた。

ブラジルの中堅クラブ、アトレチコ・パラナエンセでキャリアをスタートさせたフェホは、ポルトガル・ハンガリー・アゼルバイジャン・ロシアと渡り歩き、今年7月にコンサドーレ札幌へ加入した。

昇格への切り札として大きな期待を寄せられており、持ち前の体格を活かしたパワフルなプレーやゴール前での迫力、そして俊敏なスピードを売りに、着実に試合出場を重ねている。しかし来日してからわずか3ヶ月弱でありながら、フェホの周りは常に話題で溢れており、札幌のファンにすっかり愛される存在となっている。一体フェホはこのわずかな期間で札幌に何をもたらしたというのか。

 

 

 

 

まずは日本に順応できず、サポーターをやきもき

 

 

7月20日、松本山雅戦でデビューしたフェホは、日本サッカーに順応できずサポーターをやきもきさせる。縦に速いスタイルに戸惑いを見せ、日本のジャッジ基準に慣れずファールを繰り返す。

来日直後のブラジル人にありがちな反応で、チーム内外から心配された。

 

 

 

 

しかしその後の何試合かでは不調っぷりを見せつけるも、来たる8月11日の横浜FC戦で結果を出す。

右サイドをスピード良く突破すると再度ネットに弾丸シュートを叩き込み、来日初ゴール。厚別初出場でしっかりと数字を残した。

 

 

 

しかしその次のガンバ大阪戦で、フェホは試合後に胸の痛みを訴え病院に緊急搬送。 初ゴールの余韻も束の間、またもや多くのサポーターを心配させてしまうのだ。

▲4分20秒からのオーバーヘッドが原因で緊急搬送

 

 

 

 

 

緊急搬送されたというものだから、インターネット上を含むスタジアム内外でフェホの容態が心配されたが

札幌フェホ緊急搬送

 

◆8月18日(日)ガンバ大阪戦(万博記念競技場)にて、試合終了後に体調不良のため倒れ、病院に運ばれたフェホ選手の容体についてご報告いたします。
その後大事には至っておりませんが、念のため大阪府内の病院で検査入院をすることとなりました。
なお、帰札のスケジュールにつきましては、航空便等の手配もあり未定となっております。

 

その後のクラブリリースにより、大事には至ってないことが報告された。

 

とはいえ緊急搬送されたフェホは大事を取って3日後の愛媛FC戦への帯同は見送られるかと思われたが、なんとチームに帯同。後半途中から出場し、来日2点を決めた。

さらにそこから出場3試合では連続ゴール。一気にコンサドーレのセンターフォワードとしての地位を確立、財前監督の信頼もがっちり掴み、コンサドーレ浮上のエンジンとなっていった。

 

 

 

 

 

 

が、しかしジャッジ基準には馴染めず。荒いプレーで相手選手を負傷・・・。

 

しかし結果を残しつつある反面、Jの基準には苦戦するフェホ。

鋭いタックルで相手選手を負傷させることも多々あり、Jの基準に順応できないイライラを隠しきれない場面も多く、結果の出ない日には批判も相次いでいく。

10月6日の群馬戦でもその姿は変わらず、「魚雷」「ミサイル」などと言った呼ばれ方をするまでになってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

去る8月25日の水戸戦でも、競り合いの際に高く振り上げた腕が、故意の危険行為と見なされ一発退場。

彼の破天荒なプレースタイルは、良い意味でも悪いでも札幌に定着。

 

しかし、ここで終わってしまえば「ただの悪いブラジル人」なのだが、フェホは人間らしい一面も多く見せている。

 

このように財前監督の抗議もむなしく、激高するフェホだが河合竜二になだめられ、なんと目からは涙を流しなピッチを去っていく。

この人間味溢れる涙はサポーターの心を掴み、ハードでファールになり勝ちなプレーとは裏腹にフェホのファンは増えていき、彼を応援するものは減るばかりかどんどん増えていっている。これはファンが優しいJリーグだからこそ許された、微笑ましい事実だ。

 

 

 

 

 

天皇杯では、自身が倒されて得たPKをレ・コン・ビンに譲り、ベトナムの英雄の来日初ゴールをお膳立て。どん欲なブラジル人FWとしては異例の「仲間想い」な一面も見せる。

さらにはファンとのふれあいを愉しむ様子も多々目撃されており、ファンサービスの暖かさも彼のファンを増やしているひとつの要因だろう。ゴールを決めた後にはサポーターの太鼓を奪い、演奏するお茶目な姿なども見せており、すっかり札幌のマスコット的キャラクターが定着。

 

 

 

 

 

 

札幌の外国人選手と言えば、マラドーナの弟をはじめ、エメルソンやウィルなど「悪童」タイプが多く在籍してきた。フェホもそのようなタイプなのかと思われたが実際は少し違うのかもしれない。

まだまだ不十分な要素の多いフェホだが、愛くるしい人間性も多く見せる。札幌のプレーオフ圏内入りと共に、この「鉄人」に注目、応援していきたい。

 

 


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